2019 CSUN&Funka 報告会
https://gyazo.com/6e768cbf0944b13801973a099bbd51d0
中村 朋子(CSUN):身体以外の障害(発達障害など)を考慮した取り組みへの気づきについて 自己紹介
大学卒業後、官公庁システム開発のSE経験を経て、2006年コンセント入社
運用フェーズの立ち上げ
コミュニケーションデザイン部門のマネージャー
コンセントアクセシビリティチームの秋山隊所属
白杖、車椅子、盲導犬など様々な障害当事者が大勢参加
困っている人にはサポートするが、それ以外はサポートはほぼなし
補助犬が大集合
ゴールデンレトリーバー以外にもプードルなど他の犬種もいる
興味に持ったもの:身体以外の障害(発達障害など)についてのセッションが多かった
認知力を強める研究結果、障害の特徴や仕組みの研究など
発達障害当事者のセッションが興味に残った
Shell Littleさん
Where we are going, you don't need your badge on
当事者は発達障害
歩くと名札入れがカチャカチャと音が鳴る、それがセッション発表者には不快だった
自分自身も参加・体験できた
タイトル:一時停止、停止、非表示の重要性
広告ブロッカーで広告をブロックしている
詳細を見るボタンをくるくる回転して気を取られてしまう
広告ブロックするとお金払ってねというダイアログが出る
障害者税では?
まとめ
強制的な仕組みの前に改善を!
デザインを行う前に障害を理解する
ユーザーにオプションを与えてください
Silver
次期ガイドラインのコードネーム
AGとなるかも(Web Contentに限定しない?)
ag => 銀だからsilver
AuthoringTool、UserAgentも包含する?
簡単にいうと「WCAG 2.x」のリフォーム
読んでもわからない問題をどうするか
Webにかかわらず様々なものに適用するので抽象度が高い
ガイドラインを使う人達の使い勝手を重視
グレードを金、銀、銅にしようとしている
ポイント制で称号として評価
現在はA, AA, AAA基準
WCAG2.2について
2年おきにアップデートしていこう(していきたい)
2.2を2021/3を目標
Silverは同時進行、2021/11にリリースしたいと考えていた
2.2で追加する達成基準候補は20個
ACT Rules Format 1.0
Accessibility Conformance Testing
海外は様々なツールベンダーがある
issue pattern on the modern web
アクセシビリティチェックは全体10とすると2割くらいしか図れてなかった
10年前から今も変わらず
ManualとAutoのそれぞれで発見されるものの比率はほぼ同じ
table:Issue by level
Manual Auto
Level A 75% 64.6%
Level AA 21% 14.7%
Level AAA 4% 4.7%
Custom Controls
HTML準拠していない独自のコントロールチェック
自動チェックはほぼHTMLをしっかり書くとなんとかなる
90%の問題は20テスト、80%の問題は12テストでたりうることがわかった
どういうアクションをすべきか
機械チェックはお金と時間を短縮
教育・トレーニングが長期的・一番のアプローチ
自己紹介
紙媒体案件担当
現在は企業広報誌や教科書デザインに従事
アクセシビリティチームでは代替テキスト、PDFなど視覚依存コンテンツを中心に設計
Webに限らず、配布されるコンテンツのアクセシビリティについて
1. 地図のアクセシビリティ
Map Accessibility
読みやすい地図のデザイン
ロービジョン、色覚異常、発達障害の人々に配慮したデザイン
デザインのポイント
情報量
詰め込みすぎない・余白を埋めようとしない
乱雑さが少ないほど読みやすい
文字の扱い方
裏返しに置かない
https://gyazo.com/2b0cd01b35c34e297cb64595d451802d
例:河川に沿ったテキストにしない
シャドウテキストを使わない
https://gyazo.com/886c9dd55ae2ab64804cd9cdcf742d6a
文字がダブる
下線付きテキストも読みづらい
線のスタイル
破線、点線と言ったスタイルで区別できるようにする
線のスタイルは6~7種類以下にする
カラーにできればなお良い
色によるコントラストがつけられて可読性が高まる
アイコン
凡例ですべて解説されている必要ある
特殊・分かりづらいアイコンの場合はすぐ側にラベルをつけてあげると良い
色に依存する表現
色が唯一の情報を伝える手段ではない
形や質感も活用する
掲載する時のポイント
情報を票で表示する
地図を文章で表示する
これは何を表しているのか、を提起する
地図で示された情報をリンクで提供する
例:図書館を指す時それに付随するリンクを提示
地図で示された情報を提供する別のWebサイトへのリンクを用意する
そもそも地図作成時に検討すること
地図の目的とは?
本当に必要か?
表やグラフで提供できるか?
まとめ
地図であることのマスなのトかを考える
表やテキストなど別の情報で提供できるか考えよう
コントラスト比だけでない点も考慮しよう
2. 文書のアクセシビリティ
日本では作成方法が特殊なのでマイナーな情報
タグツリー
要素の構造をチェックできる
日本との相違点と共通点
相違
共通
アクセシブル化の難易度が高い、厄介な存在
アクセシビブルなドキュメント作成コストは高い?
Wordでドキュメントを作る時アクセシビリティ機能を使うとコスト削減
アクセシビリティなPDF作成時、Wordドキュメントを元にするとそうではない場合の33%の労力で済む 作った人の思い(なぜh1なのか等)が分からない
修正フローの最初判断軸「それは文書として必要であるか?」
まとめ
文書であることがマストかを考える
WEBなど他の形で提供できないか考える
最初からアクセシブル化を見据えて適切な方法で作成しよう
自己紹介
チームの編成
製作のディレクション
情報設計
最近の悩み
大事だが対応負荷を考えると本腰を入れられない
自分のサイトがどこまでアクセシブルなのか判定できない
長期的に取り組んでいくためのアプローチ
2つのキーワード
Accessibility Champions
Accessibility Testing Process
achieving inclusive accessibility thinking without sticks or carrots
Emma Pratt Richens
モチベーションについて
報酬を高くしてもなかなか持続できない
努力+パフォーマンス+報酬 => モチベーション
目的 <= 真理部分
関係性
報酬 <= そこまで重要じゃない
モチベーション 3.0という概念
Autonomy
シンプルにやりましょう
より自然に会話の中に入れていきましょう
Mastery
支援技術を使った人がいるかどうかで目的意識が変わる
ガイドラインはアクセシビリティのベースラインを揃えるものでは必ずしもそうでは無い
Purpose
障害を持った人・マイノリティ以外の話
環境は帰ることができる
sticks or carrotsはWCAGの達成基準のそれ
同じ職種で分かる人が2人(チャンピオン)居るとどんどんうまくいく
これに5年かかった
しかしそのプロセスは大事
Innovative Accessibility: Shifting Manual Testing Left to Development Teams
何もしないでおくとアクセシビリティバグは多くなる
チェックリストや取り組むのは早い段階で行っておくべき
千田(欠席) => 植木 & 辻 発表に
Funka Accessibility Daysとは
ヨーロッパで開催されているICTアクセシビリティカンファレンス
ストックホルム
北ヨーロッパが中心
300〜400人(推定)
言語
英語またはスウェーデン語
スウェーデン語が分かる人が大半
参加費 約19万5000円(日本円換算)
22セッション
1つの部屋でのみ
スピーカー
スウェーデン、ノルウェー、イギリス、アメリカ
FunkaとCSUNの違い
参加者全員が2日間完全なる缶詰状態
ランチとコーヒーブレイクが日に1度、外に出る必要なし
ネットワーキングが重要視
立食スタイル
お互いの自己紹介などできる
ディナー会もある
エキスパートが集結
どこかの団体のエキスパートだった
コンサル会社、デザイン会社、政府のアクセシビリティ担当部署
展示ブースは小さめ
10社程度
セッションまとめ
傾向
2018/09より施工されたEuropean Web Accessibility Directive(WAD)の影響
WCAG 2.1で重視された達成ギジュンの認知についてのセッションが目立つ 継続的に持続的にやるにはどうすればいいか
社内外ステークホルダーの教育とトレーニングが重要
法律
WADがホットトピック
政府と協力して公共機関のサイトアクセシビリティの対応
WAD目的
公共のWebサイトやモバイルアプリがアクセスしやすいようにする
共通の要件を確立して、より効率的・包括的にする
フランスでも民間企業でも義務付けられる
年間2億5000万ユーロの売上
WADフロー
モニタリング
機械・人間チェックどちらもあり
フィードバック
レポーティング
ECへの申告
さらなるアクセシビリティ向上
table: ロードマップ
2016/12/22 発行
2018/09 法律化
2019/09 すべての新コンテンツがアクセシブル
2020/01 EU加盟国モニタリング
2020/09 新旧問わずすべてのコンテンツをアクセシブル
2021/06 すべてのモバイルアプリがアクセシブルに
2021/12 レポートをECに提出
2022/06 レポートへのレビュー
ヨーロッパはWCAG2.1への準拠にフォーカスが向いている
1.3.4 Orientation (AA)
スマホの向きを固定しないようにしよう
webサイトはあまりないがモバイルアプリはありうる
1.4.11 Non-Text Contrast (AA)
文字以外でもコントラスト注意
アイコンや背景色など
2.5.5 Target size(AAA)
クリッカブルな領域の確保
44 × 44以上にせねばならない
プレーンランゲージ
読みやすい・分かりやすい、やさしい文章を書こう
全体の4/1はWebサイトから情報を得るのが難しい
13%は文字を読むのが困難である
ポイント
短め簡潔に
第1印象を大事にする
画像だけにしない
コンテンツのプライオリティを決める
サマリーを提供
主語を入れる
繰り返しプレーンランゲージを練習する
文書のアクセシビリティ
文書ファイルもWADに適応範囲
文書展開がマストでなければWebに切り替えたほうが良いという意見が大多数
ポイント
ほんとうに文書化が必要か精査
拡大鏡の存在を忘れない
テーブルやリンクなど色々と入ってくると困難になりうる
その他
認知機能に起こる障害に関するセッションが目立つ
そのほかロービジョン、モバイル
いろんな種類の情報をどう受け取ってプロセシングするかが認知である
レギュレーションでサポートされているのは少ない
https://www.youtube.com/watch?v=XBzXBY9G2u4
アクセシビリティ現場の本音
どうやってやっていけばいいか分からん
マーケティングと紐づけたほうがよくないか
誰にとっても良いってことだから金のためにやるのは好きじゃない
アメリカとヨーロッパの違い
ヨーロッパはお金よりも気持ち・精神的なところでインクルーシブにしたい
アクセシビリティ特価のコンサルタンシーはあんまりない
社内/パートナー/クライアント教育
教育の大変さにはある(やる気ないやつ見ると殴りたくなる)
気長に浸透すべき
何回試験しても改善されず毎回試験だけ依頼されるのがザラ
他おすすめカンファレンス
質問コーナー
日本の普及率は?もし浸透していないとすると何が原因か?その場合どうやっていけるか?
日本での法律の義務化はまだ。非常にゆるい
法律によってどんどん先進的になっている部分はある
取り組みやツールも作られたりする
公的機関に目を向ける
アクセシビリティ方針・試験結果の提示
大手の企業でも方針も出すのが増えてきた(世界一かも?)
費用対効果を示しづらい
ガイドラインが読んでも分からないのがヘビー
興味を示す人は増えてきたがそれを阻害しがち
基本のキ 10項目を提示
サイボウズの苦労は? => 小林さん
上流の巻き込み
当時、富士通がトップダウンでやってた
プロダクトをまとめ上げる人をどう説得するか
最初は現場の人が問題定義になる
植木
独立前の会社でアクセシビリティを担当してくれというのがきっかけ
全盲者向けのPC利用教室を見に行ってWebでの体験を見る
CONCENT
きっかけは1名の社員の強い気持ちがきっかけ
徐々にその気持ちに感化されて広まってきた
公式で使っている書体を見直した
ルビの書体を文科省のチェックが通る
教科書は教師がよいものを選ばれる
UD書体を使ってる
明朝体には明朝体、ゴシックにはゴシックだが
ルビはUDにしたい
自動評価ツールはどういう印象か
ツール自体は価値がある
ポイントは使うタイミング
人間で見るところ、機械で見るところを判定する
ツール自体でどんどん向上できること
国産だと全体クロールするツールはまだ
WAIV
altタグは誰が書くのか?客観視はどうか?
システム屋
クライアントには決められない
開発が制作会社に依頼をしていく
CONCENT
コンテンツを理解している人が入れるべき
全体理解しているディレクターや設計するデザイナーなど
どう入れるかは、方針を立てる
迷わずにそこに沿える
写真だったら入れる場合、イメージの場合は?
キャプションが合った時は晴眼者でも一目で分かる
altは画像だけにする
晴眼者が読み取れないようにはしてはいけない
なるべくルールは少なくする
サイボウズ
社内のブログでaltを入れてもらうよう理解を進めている
製品のUXライターが居る
発注側がしっかりせいというのはある
要件定義とか